山陰海岸ジオパークでは、地球のダイナミックな営みの中で形成された日本海と日本列島の歴史、その大地に育まれた自然などの地域の宝を守り、活かす人々の努力を知ることができます。
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浦富海岸は、白い花こう岩と青い海と松のコントラストが美しい岩石の海岸が見どころです。浦富海岸の西にある鳥取砂丘のような砂浜海岸とは対照的で、山陰海岸の海岸地形の多様さがうかがえます。
透明度の高い浦富海岸の海中では、豊かな生態系が育まれています。
キーワード | 日本海、岩石海岸、深成岩、花こう岩、侵食、漁業、海ごみ、磯の生態系 |
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学習 | 鳥取県立山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館 |
体験 | マリンアクティビティ 岩美町立渚交流館
遊覧船 山陰松島遊覧 |
花こう岩は深成岩の一種です。深成岩はマグマが地下でゆっくりと冷え固まることでできます。マグマが地下でゆっくりと冷えると、結晶が成長します。マグマがすべて結晶の集まりに変わったものが深成岩です。同じような大きさの結晶が集まっている組織を「等粒状組織」といいます。
深成岩の種類には、花こう岩、閃緑岩、斑レイ岩などがあります。花こう岩はこの3つの中で最も白っぽい鉱物(無色鉱物)が多く、黒っぽい鉱物(有色鉱物)が少ない岩石です。そのため、全体が白っぽく見えるのですね。斑レイ岩は有色鉱物が多く含まれるため黒っぽい岩石です。
花こう岩は、建物やお墓によく使われる、身近な石材です(石材名は御影石と呼ばれることが多いです)。みなさんの身近にも花こう岩があるのではないでしょうか?
恐竜がまだ生きていたころは日本列島も日本海も地球上に存在していませんでした。約2500万年前ごろに地球の大きな動きの中でアジア大陸の端が裂け始め、日本海が作られました。 浦富海岸の花こう岩は、大陸の端が割れて日本海ができるより前の時代に、大陸の端っこの地下で大量に生み出されたマグマが固まって作られました。花こう岩は日本海が作られたときに大陸からやってきた岩石なのですね。(参考:山陰海岸ジオパーク推進協議会ホームページ)
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花こう岩は結晶が集まった岩石でしたね。花こう岩は風化すると結晶同士がくっついていたものがバラバラになっていきます。そうしてできるのが「真砂土」と呼ばれる土です。真砂土はほぼ砂からなっており、斜面が真砂土で出来ていると崩れやすく、水を含むと流れ出しやすいという特徴があります。花こう岩が分布する地域では、特に土砂災害に注意する必要がありますね。
鳥取砂丘の砂のもとになった主な岩石は、花こう岩です。
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浦富海岸の花こう岩にはたくさんの割れ目があります。岩がその割れ目にそって崩れることで海食洞や離れ岩といった地形がつくられました。
浦富海岸の独特の景観のヒミツは割れ目の多い岩石にあったのですね。
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浦富海岸の海の中は、その地形によって日差しや潮流などが大きく異なる場所があり、それぞれの環境で生き物が棲み分けていることも多いです。見たい生物がいる場合、その環境をよく理解する必要があります。ここでは、砂地と岩場の2つに分け、岩場では、岩礁域・海中林・洞窟の3つに細分して説明します。
砂地は、海藻やフジツボなどの付着生物にとっては不安定な環境なので、こうした生物はほとんど棲んでいません。また、魚も天敵に見つかりやすいため、うまく背景に溶け込んでいるものが多いです。
海藻が生えていない岩場には、多くの生物がくっついていたり、そこを縄張りのようにして棲んでいる魚などが見られます。
日の光が入らない洞門内や海食洞内は、そこをねぐらとする生物や、岩場では日陰にいるような付着生物、ウミウシなどが見られやすい環境です。
春から初夏にかけて、浦富海岸の浅瀬はワカメやアカモクなどの海藻で覆い尽くされます。その中には、多くの小動物が隠れ住んでいます。ノコギリモクなどの頑丈な藻類は、1年中見ることができます。
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日本海は干潮時刻と満潮時国が太平洋側とずれており、一日の水位差も太平洋側では2 m以上もあるのに、日本海側では30 cmくらいしかありません。太平洋側や瀬戸内側で潮干狩りができる干潟が多いのは、太平洋の干満の差が大きいからなのですね。一方、日本海側では、干満の差が小さいので潮干狩りができないかわりに、干潮・満潮を気にせず磯の生き物観察をすることができます。
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日本海の最も深いところは水深が3742mもありますが、隣の海とのつなぎ目である海峡はとても浅く、例えば対馬海峡は130 mしかありません。日本海は深い桶(プール)のような形をした閉鎖的な海なのです。外からの海水の出入口が浅く狭い海峡しかないので、出入りの量が制限され、潮の満ち引きの差が日本海側で小さく、満潮・干潮のタイミングもずれているのです。
日本海の中央部が深く、隣の海とのつなぎ目(海峡)が狭く浅いのは、大陸の端が引きちぎられてできた海だからです。(参考:山陰海岸ジオパーク推進協議会ホームページ)
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日本海の表層ではブリなど暖かい海流でやってきた魚、深いところにはハタハタ、カニなど冷たい水を好む魚たちが生息しています。
そのため、一年を通じていろんな種類の魚介類を楽しむことができます。
でもなぜ日本海にはこんなに多様な環境があるのでしょうか?
日本海には、対馬暖流という暖かい海流が流れ込んでいます。この流れに乗って南の海からブリやイカがやってきます。
ところで、浅い対馬海峡を通って流れ込む対馬暖流の厚さはせいぜい200~300 mで、平均水深1,667 mの日本海のほんの表層を流れているに過ぎません。暖かい海水は軽いので、通常は、海の表面を流れ、深いところの冷たい水と混ざらないのです。
日本海は中心部が深くて外の海との境界が狭くて浅い「桶」のような地形です。ところで、桶で魚って飼えますか?ただの桶では魚は酸欠になって死んでしまいます。水を循環させる装置、または空気を送る装置が必要ですよね。そう、“ただの“日本海だと、水が入れ替わらない200~300 mより深いところでは酸素がなくなり、生き物たちが生きられません。
でも、山陰の人々は毎年、日本海の深いところに住むカニを食べています。実は、日本海には、桶の水をかき混ぜて深いところへ酸素を送る仕組みが備わっているのです。
冬になると、冷たくて乾いた風が大陸から日本へ向かって吹いてきます。この季節風は、日本海表層を流れる対馬暖流の水を盛んに蒸発させ、冷やします。蒸発によって塩分が濃くなり冷たくなった水は、重いので自然に沈み、日本海深部に酸素を含んだフレッシュな水がもたらされます。このような日本海独自の循環系のおかげで、日本海深部は太平洋深部よりも酸素が多いのです。「桶のような地形」、「対馬暖流」、「冬の季節風」の3つの条件が奇跡的にそろっているからこそ、カニが快適に暮らすことができるのですね。
「桶のような日本海」、「対馬暖流」、「冬の季節風」が私たちに与えてくれる恩恵は海産物だけではありません。対馬暖流からの水の蒸発により、大陸からの乾いた風が湿った風に変わり、日本の日本海側に大量の雪や雨を降らせます。このおかげで、豊かな水資源に支えられた私たちの暮らしを営むことができているのです。また、日本海とそれを取り巻く環境がなかったら日本独自の文化は生まれたでしょうか?想像してみてください。
鳥取砂丘は、決して広さが日本一ではありません。砂が動き、砂丘地に特有の地形や動植物が見られるなど、本来の砂丘の自然が残されていること、そして砂丘に寄り添った人の暮らしがあることが、鳥取砂丘の大きな魅力です。
キーワード | 日本海、砂浜海岸、砂丘、河川、砂丘の生態系、海ごみ、気候変動、砂丘地農業 |
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学習 | 山陰海岸国立公園鳥取砂丘ビジターセンター
鳥取大学乾燥地研究センター |
体験 | サンドボード、ファットバイクなど |
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広い砂丘がある場所に共通する特徴はなんでしょうか?
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鳥取砂丘で働いている人に聞いてみましょう。
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鳥取砂丘レンジャーってどんなお仕事をしているのでしょうか?
聞いてみましょう。